2012年01月29日
ヨーヨー・マ&マゼールのドヴォルザーク:チェロ協奏曲
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ヨーヨー・マは、既に大家としての名声を博しているが、1955年生まれと意外なほど若い。
ヨーヨー・マのドヴォルザークは、彼の抜群のテクニックと楽譜の深い読みによって、他のチェリストでは到底到達できないような高みに達している。
リズム処理もすばらしい演奏で、マはどんなに複雑に入り組んだ曲想になっても、驚嘆すべきテクニックで楽々とひきあげている。
気持ちを十分に込めながらそれでいて品格を失っていない。
たとえば、第1楽章の第2主題(トラック1の6分11秒から)や第2楽章の出だし(トラック2の0分40秒から)、あるいはトラック2の10分56秒からは、すべてピアニッシモかピアノの指示があるが、マは、弱音を保ちながらも高らかに歌い上げる。
弱音に気持ちを込めていきながらも、音を解放していくなどということは、超絶的なテクニックに裏打ちされた深い音楽理解によってはじめて可能となる。
第3楽章のラスト(トラック3の12分25秒から41秒)において、マは信じられないようなスケールの大きなクレッシェンドを、他のチェリストの倍くらいの時間をかけて行なう。
こんな芸当はマにしかできない。
マは、驚異的なテクニックを発揮しながらも音楽の品格を失わず、完璧なまでのドヴォルザークを描き出している。
マゼールの指揮は、全体に遅めのテンポでオケを十分に響かせ、力強く演奏している。
小品の2曲も好演で、「ロンド」の洒落たリズムと節まわしが素晴らしく、「森の静けさ」では厚いカンタービレと音楽が楽しめる。
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