2012年01月30日

ブレンデル/プレイズ・シューベルト


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



シューベルトを弾くことにかけて驚異的な上手さで圧倒的なのは、何と言ってもブレンデルだ。

そのブレンデルがシューベルトのピアノ・ソナタをライヴ・レコーディングしたこのディスクは、シューベルトのなかでもとくに彼に合う選曲とみえて、圧倒的を通り越し、まさに聴く人を圧倒する仕上がりになっている。

ブレンデルのシューベルトの驚くべきところは、それが決して自然、調和、中庸……と言うに留まらないことだ。

たとえば、テンポを揺らすのは時代遅れ、と言われかねない今の時代に、ブレンデルはかなりテンポを動かして、音楽の流れを意のままに加速したり減速したり、そのショックで聴く人を音楽に巻き込んでいくようなところがある。

けれど、彼が19世紀的なヴィルトゥオーゾと違うのは、それが「個人的な癖」や「即興的な気ままさ」や、ある意味では「自由」にさえ聴こえるのではなく、楽曲全体の強力な一貫性、統一性と一体になった「必然」と聴こえることだ。

伴奏音形ひとつ、経過的な音階やアルペッジョひとつにまで、まさに微に入り細にわたり誇張気味に輪郭を取っていく弾き方は、時に悪魔的な凄みさえ感じさせる。

ブレンデルのシューベルトには、歌曲集『冬の旅』と隣り合わせの鬼気迫るものが満ちている。

そのブレンデルの「必然」にまで昇華された極限的、今日的名人芸を「誇張されすぎた異形の演奏」と考える人も、実は少なくない。

チェコのモラヴィア地方に1931年に生まれたブレンデルは確かに〈ウィーンを首都として、チェコやハンガリーを含む旧ハプスブルク帝国〉という彼自身の根を、次第に地中深く降ろしつつあるようだった。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 19:38コメント(0)トラックバック(0)シューベルト | ブレンデル 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ