2012年01月08日
ポリーニ&ティーレマンのブラームス:ピアノ協奏曲第1番
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ポリーニによる3度目のブラームスのピアノ協奏曲第1番の登場だ。
ポリーニは完全主義者として知られているだけに、レコーディングには慎重を期して臨むのが常であるが、そのようなポリーニが同じ曲を3度も録音するというのは異例のことであり、これはポリーニが同曲にいかに深い愛着を有しているのかの証左であると言えるだろう。
本盤におさめられた演奏は、2度目の演奏から14年を経た後のものであるが、これは素晴らしい名演と評価したい。
そもそもポリーニのピアノ演奏が、1997年盤とは段違いの素晴らしさであると言える。
1997年盤に顕著であった技巧臭さえ感じさせる無機的な演奏など薬にしたくもなく、もちろん超絶的な技量は健在ではあるが、どこをとっても懐の深い豊かな情感が満ち溢れているのが素晴らしい。
これは、ポリーニの円熟によることは間違いがないところであり、ポリーニが演奏の技術的な正確さ、緻密さを追求するのではなく、このような情感豊かな演奏を行うようになったことに深い感慨を覚えるところだ。
このような演奏を聴いていると、ポリーニこそは名実ともに現代を代表する偉大なピアニストの一人であることを痛感せざるを得ない。
ポリーニとしては3度目の同曲の演奏ということになるが、3度目の正直との諺のとおり、漸く自他ともに満足できる名演を成し遂げることが出来たと言えるだろう。
かかる偉大なポリーニのピアノ演奏を下支えするティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデンについては、このコンビならばもう少しハイレベルの演奏を望みたい気もしないでもないところだ。
同曲は、ピアノ伴奏つき交響曲との異名をとるだけに、同曲の分厚いオーケストレーションを活かしたより重厚かつ雄渾なスケールの演奏を望みたいと思った聴き手は筆者だけではあるまい。
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