2012年02月06日
メニューインのバッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ
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1956-57年にロンドン、アビー・ロード・スタジオで録音された、メニューインのバッハ「無伴奏」の決定盤。
今日の進んだ技術的なマスターという点からすると、メニューインのこの演奏はいくぶん野暮ったく聴こえるかもしれない。
展開の仕方も全体の構築も、ところどころ穴が開いたようで心許なさが拭えない。
しかし全体は火を吹くような情熱のほとばしりと、ヒューマンな高い志にみなぎり、聴き手の心を熱くする。
メニューインは演奏会場でエンタテインメントのために演奏しているのではない。
いわば窓から今にも身を投げようとしている人間を説得しようとする、そんな懸命さを印象づける。
今日ではそんな接し方は煩わしく、余計なお節介だという向きが増えてきているかもしれない。
しかし、そこにヒューマンな共感の最後の絆があることもたしかだ。
技のキレなどでは、1930年代の旧録音にはかなわないが、清澄な音色と真摯な表現には打たれる。
1950年代後半のモノラル録音だが質は高く、ソロ楽器だけだからステレオでないハンディを感じない。
廃盤にせず、カタログにずっと残してもらいたい録音だ。
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