2012年02月19日
カラヤン&ベルリン・フィルのチャイコフスキー:3大バレエ・ハイライツ
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《くるみ割り人形》組曲をはじめチャイコフスキーの3大バレエから聴きどころを抜粋した演奏会用組曲集。
このベルリン・フィルとの再録音は、いずれもカラヤン一流の演出巧者な演奏である。
ウィーン・フィルを指揮した演奏はソフト・ムードだったが、ここでは、アンサンブルがさらに緊密となり、表情が引き締まっている。
《白鳥の湖》の民族的で色彩豊かな「ハンガリーの踊り」や「情景」の描き方、《眠りの森の美女〉での幻想味あふれ、情感たっぷりな旋律の歌わせ方など、カラヤンならではの腕の冴えだ。
ことに《眠りの森の美女》は、この曲のもつシンフォニックな特性を巧みに表出していて見事だ。
劇的な序奏からリラの精の動機を導いていくあたりの演出のうまさ、「長靴をはいた猫」の木管楽器の扱い方、よどみなく流麗にまとめた「ワルツ」など、カラヤンの指揮棒の魔力には魅了されてしまう。
《くるみ割り人形》も優れていて、カラヤンの肌に合った作品だけに手慣れたものだ。
3曲に共通するチャイコフスキー特有の華麗で優美な〈ワルツ〉、《白鳥の湖》の〈情景〉に代表される悲劇的な雰囲気、情熱的な〈ハンガリーの踊り〉や〈ロシアの踊り〉など、各曲の特徴も鮮明に表現されている。
カラヤンの音の錬金術師ともいうべき手腕が素晴らしく、その意図が徹底されたベルリン・フィルの精妙な響きと表現力にも圧倒される。
これは、チャイコフスキーの音楽特性を十全に表出した、実に見事な演奏である。
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