2012年02月08日

トスカニーニのヴェルディ:レクイエム


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ヴェルディとワーグナーは対極的な作曲家だと見なされている。それは正しいだろう。

ヴェルディは可視光線のなかを一直線に歩んだ作曲家だった。

一方ワーグナーは、いわば紫外線と赤外線にひびきの源を求めた。

それは意識と無意識、現実と超越の差だといってよいかもしれない。

ところでレクイエムは生者と死者との対話の音楽だ。リアリスト、ヴェルディにとっては苦手の領域のはず。

それにもかかわらず彼は友人の死に衝撃を受けて、レクイエムを作曲することを思い立った。

彼は現実を支配する巨人の力業で死者に声をとどろかせ、その霊を慰めようとする。

だが生と死のあいだには厚い壁がはだかっており、彼はそれを超えることができない。

それでも渾身の力をこめ、生者のあらゆる力を結集して死者の国の壁を叩くなら、その真剣さは死者に通ずるだろう。

いわばその過剰な生命力が、逆説的に死の匂いを焙りだしており、その構図がこの《レクイエム》の核心をなしている。

この曲をこう理解すれば、それはほとんどトスカニーニの演奏を語ったも同じことになる。

彼はヴェルディの化身かと思われるほど、やはり可視光線のなかを一直線に歩んだ指揮者だった。

この《レクイエム》の演奏は、作曲家と一心同体となった、いわば入神の技を示している。

過剰な生が死の影を映し出すこの曲の意味をトスカニーニほど突き詰め、死とはなにかを考えさせる指揮者はいない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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