2012年02月08日

トスカニーニのヴェルディ:ファルスタッフ


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トスカニーニが残したオペラの全曲録音のなかでも最高の出来映えなのがこの《ファルスタッフ》と3年前の《オテロ》。

どちらも放送のためのライヴで、潤いのないこもり気味な音質が惜しまれるが、リズミックな躍動感、テンポが《オテロ》での悲劇的な運びに対して、こちらはちゃんと喜劇の運びになっていることなど、長所は挙げだしたらきりがないほどである。

これほど、聴くたびに舌をまくほどの新鮮な発見と感動をもたらす演奏は、容易にあるものではないだろう。

後続の指揮者たちの表現法に与えた影響もいろいろ指摘されている名演奏だ。

配役も録音の欠陥から歌手たちの声自体の魅力を十分に伝えていないのはもどかしいが、ヴァルデンゴのタイトルロールにしても達者な技巧を駆使してつぼをよく心得たヴェテランの芸を見せているし、女声陣は概して男声以上に魅力的である。

1962年に52歳で没したイタリアのメゾ・ソプラノ、クローエ・エルモのクイックリー夫人など押し出しも立派、実もあれば花もある歌で聴き手を魅了する。

それに対して、当時まだ22歳のテレッサ・シュティッヒ=ランダルのナンネッタは、この役に打ってつけな清澄で繊細な歌唱を聴かせている。

そこへゆくと、トスカニーニのお気に入りのソプラノ、ヘルヴァ・ネッリのフォード夫人は、やや個性味が薄いけれども、軽やかな声に女らしさを匂わせながら手堅く歌っている。

フェントンやフォードの出来には若干不満もあったが、トスカニーニの指揮と全体の仕上がりのすばらしさの前には些細な傷の程度である。

トスカニーニのオペラ演奏の価値を、頭では納得しても耳が承知しなかったような人には、とくに一聴をお薦めしたい。

あまりにも豊穣なドラマと歌に、耳を洗われる思いがする。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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