2012年02月07日
ミュンヒンガーのバッハ:フーガの技法&音楽の捧げもの
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バッハは《フーガの技法》の演奏形態を指定しなかったので、演奏をとやかく言う前に、どういう楽器で演奏するかという問題が生じてくる。
親しみやすくわかりやすいという点では合奏によるもので、細かいところまで丹念に整えられたミュンヒンガーの演奏がスタンダードといってよさそうである。
《フーガの技法》を室内オーケストラで演奏する場合、演奏者によってかなり楽器編成が異なるが、ミュンヒンガーは、弦楽器を主体にした地味な編成にしている。
こうした点、いかにも誠実な彼らしい扱いである。
演奏は、実にすばらしく、彼は、それぞれの曲を入念に練り上げながら、全体をきわめて精巧に仕上げている。
その彫琢された音の響きは大変美しく、きめの細かな奥行きの深い表現には、強く心を打たれる。
未完に終わっている最後の4声の4重フーガのあと、オルガン・コラール《われら悩みの極みにありて》を全曲の結びとしているのも、大きな特色の一つである。
《音楽の捧げもの》は、ミュンヒンガー&シュトゥットガルト室内管弦楽団のコンビによる数多くの定評あるバッハの演奏の中でも、最もすぐれたものの一つだ。
ミュンヒンガーは彼自身の編曲した譜を用い、この曲の構成の美しさを強く正面に打ち出しながら、一分の隙もなく全体をまとめている。
その厳格な表現はいかにもこの人らしく、彼の真価が最高度に発揮されている。
特に荘重な雰囲気にあふれている「6声のリチェルカーレ」が出色だ。
いずれも長年にわたるミュンヒンガーのバッハ音楽研究の成果が、見事に表れており、バッハの音楽の真髄を極めた名演奏である。
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