2012年02月09日

リヒターのバッハ:ミサ曲ロ短調


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《ミサ曲ロ短調》の不滅の名盤。

バッハの4大宗教音楽のひとつに数えられ、その最高作品と見なす向きも少なくない。

優れた宗教曲は、基盤である宗教を離れて"芸術"作品として自立することがある。

その場合、芸術としての一面を強調した演奏が生まれてくるのは避け難い。

しかしキリスト教文化圏で規範とされるのは、宗教性と芸術性を両立させた演奏である。

当盤は、長らくその頂点に立ち続けてきた名盤。

まず、フレーズの隅々にまで浸透している切迫した祈りの感情が、聴き手の身に染みる。

その純粋さを聴き手にさらに印象づけるのがリヒターの凝集した表現力。

その結果、熱く激しく燃え上がる感情を、厳格できりりとした表情に包みこんだバッハが生まれた。

宗教性と芸術性が両々相まって、バッハの深さと広大さを実感させてくれる。

バッハはプロテスタント教会に仕える作曲家だったが、ここではカトリックの典礼をとり入れて両者の融合を目指し、特定の宗教を超えた特異な形態を生んでいる。

リヒターにとってこれは理想の信仰の形態だったはず。

信仰を失った現世の混迷のなかで、ひたむきに救済を求め、神の光に達しようと望むなら、神と一心同体化しなければならない。

そのためには人間は霊的な存在でなければならぬというのがリヒターの信念。

現世の欲を捨ててこそ、すべてのものが同胞となり得る。

人間はかくあるべきという不退転の決意、その強靭な精神力に心を打たれない者はいないだろう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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