2012年02月09日
リヒターのバッハ:クリスマス・オラトリオ
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リヒター唯一の《クリスマス・オラトリオ》の録音。
筆者にとって、《クリスマス・オラトリオ》という作品に親しむきっかけを与えてくれた懐かしい録音。
リヒターの演奏は、力強い喜びにあふれたもので、その精神的燃焼度の高さには圧倒される。
今、聴きなおしてみると、その重厚さに驚かされる。
レチタティーヴォもオペラ的で芝居がかっているように感じる。
人間の感覚というものは当てにならないものだ。
初めてピリオド楽器による演奏に接したときにはなんと軽薄な、と思ったのに、今日ではピリオド以外は自ら進んで聴こうとはしないのだから。
リヒターの曲の解釈・表現は、コラール・フェルマータの扱い方にしても、非常に柔軟性にとんだ自由な扱い方をして、詩の内容を浮き出させているし、フレーズのつくり方がふくらみを増し、表現に人間的な息づきが至るところにあふれてくる。
1960年代としては最高の独唱陣を得たことも素晴らしく、どの個所にも不満を感じさせないし、むしろ感嘆の連続である。
特に早世した名テノール、ヴンダーリヒの名唱が聴けるのはたいへん嬉しいことだ。
粒ぞろいの歌手による名盤中の名盤であることは間違いなく、こうしたバッハを愛する人にとっては限りなく大きな価値を持つ演奏であろう。
でも、今日の演奏スタイルからは乖離した面があるのは否めないと思う。
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