2012年02月25日
カラヤン&ウィーン・フィルのアダン:バレエ《ジゼル》
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1961年9月、ウィーン、ゾフィエンザールに於けるステレオ録音。
アダンは、ベルリオーズと同じ1803年の生まれで、パリで活躍し、53年の生涯に39のオペラと14のバレエ音楽を書いたが、現在ではもっぱら《ジゼル》の作曲者としてその名が知られている。
この《ジゼル》は、1841年に初演されたロマンティック・バレエの傑作で、踊り子の伴奏音楽にすぎなかったバレエ音楽を芸術に高めたという点で画期的だった。
チャイコフスキーも《白鳥の湖》の作曲に際して、この曲からヒントを得たといわれている。
カラヤンにとっては極めて珍しいレパートリーで、当然にこれが同曲唯一の録音。
アダンの《ジゼル》は平易な曲で、このカラヤン盤では2部構成になっており、原典版とも呼ばれる短縮版の演奏だが、カラヤンの《ジゼル》は、華麗なコンサート・スタイルでたいへんシンフォニックな表現だ。
演奏はカラヤンの強烈な個性に貫かれており、いうなればカラヤン編による交響詩とでもいった趣を呈している。
ウィーン・フィルの艶やかな弦の音色と、カラヤンの耽美的な音楽性が相まって優雅な音楽世界を醸しだしている。
リズムはやや重いが旋律を流麗に歌わせる手腕はさすがである。
バレエ音楽の演奏としては問題もあろうが、その演出のうまさは格別で、この当時のウィーン・フィルとの一連の録音はカラヤンの演奏史で最後まで残るのではないかと思われるくらい充実しており、オケの艶麗でしなやかな弦、管楽器の馥郁さたるや現在では望めないのではないだろうか。
精妙かつ情感豊かな表現で、コンサート・スタイルの演奏としては最右翼に置いてよい名演だ。
他の同曲異演盤は聴いてないが、《ジゼル》を楽しむには格好の1枚となるであろう。
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