2012年02月22日
ワルターのワーグナー:ワルキューレ第1幕、他
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これはワルターの目指した音楽の最高の刻印であると同時に、ワーグナー演奏史の最良の一頁として記念される名演である。
1935年に録音されたこのSPが発売されたときは大きなセンセーションを巻き起こしたらしい。
何しろワーグナーの楽劇などまったく録音されなかった時代だからである。
ワルターのテンポは異常に速い。おそらくは晩年はもっと遅いテンポをとったに違いないが、この場合いかにも50代のワルターらしい。
ただ、全体的に見てライトモティーフの表出が著しく弱いのがワルターの欠点となっている。
しかしジークリンデが自分の想いを歌う部分の、春の陽ざしのような微光のほほえみ、ウィーンの弦の不健康な美しさなど、ワルターならではの表現も見られるし、背伸びをしない地のままの指揮に好感が持てる。
全曲が一つのまとまった解釈となり、聴いているときの安心感と陶酔は比類がない。
それに何よりも歌手が素晴らしく、ワーグナー歌唱の至高の範例とされるほどの名唱であろう。
特に第1幕のフィナーレの素晴らしさはあらゆる比較を絶している。
とくにロッテ・レーマンはごく自然に歌いながら、温かい息吹きと魅力的な女性美がむせるようだ。
メルヒオールも努力なしにジークムントの暗さを背負った人柄を出している。音色の変化が微妙だが、節まわしの巧さといい、すべてが生まれつきの才能のように自然である。
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