2012年02月24日
アバド&ウィーン・フィルのブラームス:ハンガリー舞曲集
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この《ハンガリー舞曲》のような作品を演奏するに際しては、芸術性とエンターテインメントとしての要素のバランスが非常に難しい問題であり、それが演奏の価値を左右する重要なポイントになるのではないだろうか。
作品の芸術性の追求に純粋な情熱を傾けた演奏としては、ライナーのハイ・グレードな名演があり、作品の娯楽性を最大限に強調した演奏としては、巧みで効果的な演出が作品の聴きどころを増幅したカラヤンのような名演も存在する。
しかし、どちらにも偏らずに自然体で素直にこの《ハンガリー舞曲集》を楽しみたいという向きには、このアバド盤がベストに挙げられる内容といってよいだろう。
アバドは、良い意味で表現に工夫を凝らそうとする意志を示さずに、まったくナチュラルかつストレートにこの舞曲集のキャラクタリスティックな各曲を再現し、聴き手を抵抗なく引き込んでしまうしなやかで爽やかな演奏を聴かせている。
しかし、決して華やかでもなければ決して個性的でもないアバドの表現は、演奏としてこの表面的な特徴は希薄でありながらも、各舞曲に備わった本来的な美しさを汚れなく描出する結果を生んでおり、それは、この演奏に聴き込むほどに味わいが深まるかけがえのない価値を付与することになっているのである。
また、筆者は、アバドが指揮した際のウィーン・フィルのサウンドにとっても大きな魅力を感じているが、ここでは、作品の特性とも見事な一致を示している。
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