2012年03月10日

ベーム&ベルリン・フィルのシューベルト:交響曲第8番「未完成」&第9番「ザ・グレイト」


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シューベルトが25歳の1822年に作曲された《未完成》は、彼の死後37年もたってから日の目を見たというエピソードと、2楽章までしか書かれていないことで有名だ。

ベームのシューベルト《未完成》は、SP録音やライヴ録音も含めると7種類あるが、うち6種類はウィーン・フィルで、ここでとりあげた1966年録音は唯一ベルリン・フィルとのものである。

ワルター盤とは対照的な表現で、シューベルトとしては、やや武骨な感じもするが、全体に整然たる美しさをもった演奏である。

弦楽器の重厚な響きと卓抜な合奏力で、構築的にしっかりと表現した第1楽章、音楽の内面を深々と掘り下げ、ロマン的な表情をひき出した第2楽章。

あくまでも楽譜を忠実に再現し、正攻法で作品に挑んでいるところが、いかにもベームらしい。

歌曲、ピアノ曲、室内楽作曲家としてのいわばリリシストとしてのシューベルトとは別の、シンフォニストとしてのシューベルト像の中には、尊敬するベートーヴェンに対する憧憬という要素もあったのではなかろうか。

その憧憬を持ちながらも、シューベルトはあくまでシューベルトであった、シューベルトであり続けた、ということを、このベームとベルリン・フィルとの歴史的名演は教えてくれる。

《ザ・グレイト》では、その逞しい造型性の中に揺れ動く「弱い人間シューベルト」の繊細な心理、そして憧れが、この演奏の中には横溢している。

シュターツカペレ・ドレスデンとの最晩年の録音やウィーン・フィルとの来日公演ライヴ以上に、この1枚はベームの素晴らしさを示している。

がっしりとした骨組みで、あくまでも楽譜を忠実に再現しており、スケールも大きい。

牧歌的な雰囲気を大切にしながらも抒情的に表現した第1楽章、あたたかさとデリケートな表情をもった第2楽章、弦楽合奏の威力が存分に発揮された第3楽章、力強さを豪快にあらわした第4楽章。

シューベルトの音楽としては、やや武骨なところもなくはないが、その重厚な表現には圧倒される。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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