2012年02月29日

シゲティのプロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番&ブロッホ:ヴァイオリン協奏曲


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シゲティの大きな業績の一つに、同時代の作曲家達の作品を数多く取り上げたことが挙げられる。

古典作品のみならず、モダンな作品を取り上げることがヴァイオリン音楽振興のためになると考えていたシゲティは、積極的に新しい作品を初演し、また録音するなどの普及活動に努めた。

その姿勢が評価され、多くの作品が彼に献呈されることになり、プロコフィエフの協奏曲第1番は、他の演奏家による初演後、彼がレパートリーに入れることによって実質世に送り出された作品で、プロコフィエフ自身、その解釈を認め、作品を献呈するに至ったもの。

ブロッホの協奏曲も、シゲティのために書かれたもので、やはりこれも彼に献呈されている。

シゲティは、晩年にプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番をステレオでも録音しているが、彼の最盛期に録音されたこの旧盤は、気力とテクニックの充実において、それをはるかに上回る出来を示している。

一寸の隙も妥協もない厳格で論理的なアーティキュレーションを特色とした彼のアプローチは、個人的な感情を排したザッハリヒな姿勢が強く前面に押し出されたものでもあるが、そうしたあり方を作品に対する自己の理想的な対処と確信する彼の信念は、このヴァイオリニスト独自の一徹な執念とも相まって、作品に秘められた普遍的な美のイデアを抽出する結果をもたらしているのである。

音質は古いが、ヴァイオリンの音色は、案外鮮明に聴きとることができる。

ミュンシュ指揮のブロッホのヴァイオリン協奏曲は最盛期のシゲティの面目躍如の録音。

東洋的で特異なエキゾティシズムに溢れたこのヴァイオリン協奏曲は、あまり演奏される機会に恵まれないが、芸術的価値の高さにおいては《シェロモ》などをはるかに凌ぐ作品であり、ブロッホの代表作のひとつというにふさわしい傑作である。

そして、その初演者であるシゲティのこの録音は、彼の真摯でザッハリヒなアプローチがこの秘曲のまやかしがなく彫りの深い再現を実現させている名演であり、そこでは、ミュンシュのツボを心得た構成力のあるバックアップもが、もうひとつの聴きどころとしてクローズアップされている。

未だに演奏様式的な古さをまったく感じさせないのは、これが作品のイデアに密着した演奏だからであろう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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