2014年09月18日
百万ドル・トリオのベートーヴェン:大公トリオ、他
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百万ドル・トリオは、多くの録音を残しているが、チェロがフォイアマンであった時期の録音は、残念ながら非常に少ない。
そして、理想のメンバーが《大公》を手がけたこの録音は、黄金時代の彼らの桁はずれの力量が見事に発揮された不滅の名演になっている。
昔から知られた名盤であるが、個性の強いスター3人の共演ゆえ、所謂ありきたりの名盤ではない。
室内楽と言えば連想される親密な対話はここにはなく、あるのは、ハイフェッツとルービンシュタインというまったく芸風の違う二人による火花散る真剣勝負に、フォイアマンが絡むという図式は、面白くないはずがない。
3人の巨匠たちがブリリアントに渡り合う緊迫したスケールの大きい共演は、協奏曲風ともいえる華やかでスリリングなアンサンブルを生んでいるが、そこに漲る手に汗を握る興奮や圧倒的な緊張感は、これ以上は考えられないほど強力な説得力を生んでいる。
本気になった名手たちの真剣勝負は実にスリリング、録音の古さなど忘れさせてしまう。
歴史的名盤という言葉は、こうした演奏のために存在するのではないだろうか。
まさに完璧ともいえるアンサンブルを実現させた3人の巨匠たちは、輝かしく張り詰めた表現を余裕をもって繰り広げながら、圧倒的に凝縮された演奏を味わわせてくれるのである。
まさに豪放にして華麗な演奏であり、これに匹敵する器や表現力を示している演奏は、他にカザルス・トリオぐらいのものであろう。
カップリングのシューベルトにも同様のことが言えるところであり、当盤は永遠不滅の名演奏である。
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