2012年03月21日

ブロドスキーSQのショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集


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ブロドスキーSQによるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集は1989年に一気に録音完成されている。

イギリスの若手による当四重奏団の演奏の素晴らしさは、個人的な感情移入による過剰な抒情表現を捨て切っている点にある。

ショスタコーヴィチの作品を一定の距離をおいて客観的に見据え、それぞれの持味を純音楽的にありのまま引き出そうと努めているように思われる。

もちろんこの作曲家特有の強弱や緩急といったメリハリ、そこから生まれる緊張感は確実に表現されており、時として思い切った感情の爆発も見られるのだが、そうした場合でも彼らの音楽は決してエキセントリックに傾くことがない。

そして集中度が高く、練り上げられたアンサンブルと、コントロールの行き届いた均質な4声部から生まれるしっとりとした響きもこの団体の大きな魅力といえよう。

ショスタコーヴィチが書き記したテクスチャーを精確に再現することに努め、作品がもつ多彩な語法や音楽構成要素に光を当てることで、何よりもショスタコーヴィチらしい響きを獲得している。

ことに急速楽章のリズミカルな動きは何というみずみずしさと躍動感だろう。

快適な運びのなかに適度の思い入れを込め、ゆとりすら感じさせる演奏は、作品への心からの共感なしにできうるものではない。

この全集を聴いていると、彼らの世代にとってショスタコーヴィチももはや古典だ、という印象を強くする。

フィッツウィリアムSQの解散で生じた空白を埋めるような、英国の音楽家による質の高いショスタコーヴィチである。

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