2012年03月12日
ワルター&ウィーン・フィルのマーラー:交響曲第2番「復活」(1948年ライヴ)
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ワルターは1947年エディンバラ音楽祭で戦後初めてウィーン・フィルと再会したが、これはその翌年、ウィーンへの復活コンサートでの放送用ライヴ録音。
マーラー指揮者としてのワルターの存在の歴史的な重みについては改めて述べるまでもないが、この《復活》の録音は、彼がこよなく愛したウィーン・フィルとの関わりの上でも、特別の意味を持つものとなっている。
すなわち、これはワルターが戦後、ようやくウィーンにカムバックした年、1948年の楽友協会における記念すべきライヴ録音なのである。
演奏はたいへんすばらしく、まずは第4楽章の〈原光〉を深々とした表現で歌うロゼッテ・アンダイのアルト独唱に注目。
言うまでもなくこの曲の重心は巨大な終楽章だが、そこが演奏も一番凄く、巨大なフィナーレを貫くテンションの高さ、オーケストラと声楽の強力な一体感は比類がない。
声楽とオーケストラが一体となり、ワルターに率いられて全表現がマーラーの心中に深く沈下してゆく。
その模様はまったく壮観で、どこがどうという分析を超えて皆良い。
なかでもアルトのアンダイは飛びぬけて立派だ。
声の質も歌い方も、ともにその時代を表してマーラー的世界に密着し、ワルターの表現をいっそう幅のあるものにしている。
マーラーの極意のほどを改めてワルターから教示される思いである。
音源は放送用のテープで、音の状態が比較的良いのも幸いだ。
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