2012年03月13日
ワルターのモーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」&ブラームス:交響曲第4番
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ワルターは第2次世界大戦前にウィーン・フィルといくつかの優れた演奏を録音したが、彼はモーツァルトの解釈で傑出していたから、1つ選ぶとすれば《ジュピター》交響曲を挙げる。
モーツァルトの交響曲の最高峰は《ジュピター》交響曲、20世紀最高のモーツァルト指揮者はワルター、モーツァルトの演奏に最も見事に対応するオーケストラはウィーン・フィルである。
この3つの要素が1度だけ結びついた録音は、色褪せない魅力を持っている。
この作品に内蔵する威厳と品位、そして独特の構成と豊かな感情を、ワルターは心からの共感と深い理解に基づいて表現する。
ワルターの解釈はあらゆる意味でオーソドックスであり、それが彼の人間性と結びついて豊かな雰囲気をもたらし、モーツァルトの精神はそこから天上に向かって昇華する。
第4楽章のロンド主題によるフーガの演奏は、それを実感させずにはおかない。
ウィーン・フィルの美しい音色、豊かな響きもモーツァルトの音楽に美しい輝きをもたらしている。
ワルター&BBC交響楽団の「ブラ4」はいかにも人間的な親しみを感じさせる表現である。
金管やティンパニを抑え、ルバートを使いながら主題を情緒豊かに歌った温かい第1楽章、しみじみと寂しいムードを醸し出し彼としては旋律を地味に取り扱った第2楽章、たいへん速いテンポで活気にあふれた第3楽章など、ワルターは音楽各部の意味を強調しつくしている。
小味なモーツァルト風リズムと旋律のロマン的な歌、ここに彼の指揮するブラームスの、そしてモーツァルトの基本的な秘密がある。
1930年代半ばの録音であるが、充分観賞に耐えうる音質である。
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