2012年03月15日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのシューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」(1943年ライヴ)


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先般、シューベルトの自筆譜の読み方に異論が出てきて、クレッシェンド記号をアクセント記号に読み替えるべきとなった。

それにしたがってスピード感と推進力に富む演奏が増えてきて、シューベルト像が大きく変わりつつある。

しかし、新しい読みに異論もあり、最終的な決着はまだついていない。

フルトヴェングラーの演奏は、もちろん旧来の読みにしたがうものだが、その価値はけっして古びていない。

交響曲第9番は、のちにブルックナーに受け継がれる気宇壮大なスケールをもち、輝かしい金管とどっしりした低弦とは、天と地の対比としてとらえられる。

フルトヴェングラーの演奏は、大地をしっかりと踏みしめながら、はるかなる天国を仰ぎ見つつ歩んでゆく。

天と地の懸隔は途方もなく大きいが、人間の心は志の高さによって、いつしか天の高みに達しうる。

ここには現実感覚を失うことなく、最高の理念に手を届かせようとする覇気がみなぎっている。

フロベールは、「いつもいつも空を眺めていたら、ついには人も翼をもつようになるかもしれない」と言った。

ここにそれと同じ思いが胸いっぱいに広がっている。

ただそれだけではない。

フルトヴェングラーの演奏の卓越したところは、天と地のあいだを広い遊び場として、天の恩寵を受けつつ、親しい仲間と心おきなく遊戯する悦びにあふれていることだ。

それがシューベルトの夢見たユートピアだった。

これはその核心にもっとも深くふれた演奏だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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