2012年03月19日
フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのベートーヴェン:交響曲第4番/第5番《運命》(1943年ライヴ)
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第2次大戦時のこの演奏について、誰もが尋常ならざるものだと言うであろう。
生涯、常にその演奏の内に芸術のための闘争とも呼ぶべきものを響かせていたフルトヴェングラーにあって、とくにこの時代、闘いの目的は、もっともはっきりした形を整えていたのではなかろうか。
ドイツの音楽を生み出したドイツ精神と、聴衆たるドイツ人の擁護という目的である。
その目的のために力の限りを尽くし続けた果ての、音楽による闘いだったのだ。
それだからこそ、フルトヴェングラーの闘争を支持する者は皆、フルトヴェングラーに救済を求める者は皆、ベルリン・フィルとの演奏会に列を成したのである。
「コンサートに殺到する溢れんばかりの大聴衆をさばくために、同じプログラムを2度、ついには3度にもわたって繰り返さねばならなかった」(ペーター・ヴァッカナーゲル)のである。
こうした時代の瞬間が、音で実際に記録され続けたのである。
我々は残された録音を通じて、歴史を生きるのだ。
《第4》は素晴らしく彫りの深いロマンティックな表現で、フルトヴェングラーの面目躍如としたユニークな表現である。
《運命》はきわめてフルトヴェングラー色が濃く、まことにデモーニッシュの極みと言えよう。
指揮ぶりはまことに自在で、ベルリン・フィルの充実しきった、立派な響きを生かしつつ、楽員を手足のように操り、流麗にして劇的、思うがままの演奏を示す。
復刻の状態も非常によく、フルトヴェングラー全盛時代の輝きが認められる。
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