2012年03月08日

フルトヴェングラーのベートーヴェン:もうひとつの「バイロイトの第9」


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フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団の1951年公演の「ライヴ録音」は、EMIから正規盤が発売されてから50年以上が経過している。

より良い音を求めて、ブート業界まっ青の、マスタリング合戦、新マスター発見合戦、各種板起こし合戦も繰り広げられてきた。

しかしながら、以前から、EMI盤は本番の演奏ではなく、ゲネプロの演奏ではないかと言われ、本番の録音はバイエルン放送のアーカイヴに眠っているのではないかという説が根強く主張され続けてきた。

今回登場したディスクの演奏は、演奏のコンセプトは同じながら、EMI盤と大幅に異っており、演奏中に聞こえる客席ノイズ音から考えて、「EMI盤ゲネプロ説」は証明されたものと思われる。

ただし、Orfeo盤とEMI盤は同じと思われる箇所もあり、EMI盤は「ゲネプロ録音をメインに部分的に本番録音を使用し編集」ということでほぼ確定かと思われる。

肝心の演奏内容であるが、私的には、Orfeo盤は、EMI盤に比べさらに緊張度の高い演奏だと感じた。

本公演は、ドイツの敗戦により中断されていたバイロイト音楽祭の再開を飾る公演として、演奏者達にとっては特別の意味があったわけで、そのことをまざまざと実感させるような演奏になっている。

逆にEMI盤は良い意味でリラックスしたというか、本番の演奏にはない伸びやかさがある。

結局のところどちらも充分魅力的で、「本番盤が出た以上EMI盤はもう必要ない」とはならない。

この「公演」を2つのヴァージョンで聴けるとは何たる幸福かと思う。

音質的には、EMI盤がエコーの多いややぼやけた音(特に合唱)なのに対し、Orfeo盤ではエッジの効いた生々しい楽器音が聴ける。

それだけでもかなり興奮させられる。合唱もぼやけ感がない。

EMI盤、Orfeo盤をめぐっては、それだけで一冊本が書けるくらいのネタがあり、筆者の手には余りあるので、さらなる詳細についてはカスタマーレビュー等をご覧頂きたい。

このOrfeo盤を聴く前は正直言ってドキドキした。録音で音楽を聴くのにこんなに緊張するなんて何十年ぶりであろうか。

EMI盤を聴いてから経った年月の長い人ほど、当盤の登場に対する感慨は大きいと思われる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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