2012年03月27日
シノーポリのR.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき&ドン・ファン
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シノーポリは不思議とニューヨーク・フィルと相性のいい指揮者であったが、《ツァラトゥストラはかく語りき》の演奏も極めて優れたものといえる。
演奏は、細部のモティーフや動きをとても明快かつ丹念に琢磨しつくして、この曲から多彩で鮮明な表現をひき出している。
シノーポリはやたらに分析的にならず、おおらかにオーケストラを鳴らして、R.シュトラウスらしい重厚なサウンドを存分に聴かせている。
これを聴く限りニューヨーク・フィルはやはり偉大なオーケストラである。
作為的なところも目につくが、シャープな表現で過度に大仰にならないのがいい。
なによりも熱演が魅力で、シノーポリの曲への思い入れが伝わってくる。
彼はヨーロッパのオーケストラよりも、ニューヨーク・フィルを指揮した方が、より見事な演奏(たとえばワーグナーの管弦楽曲)を聴かせるケースが多かったが、これなどはその典型といえるような気がする。
《ドン・ファン》はドレスデンのルカ教会におけるレコーディング。
ルカ教会での録音というと昔のLPなどでは妙にもやもやした頼りない音で収録されているケースが少なくなかったが、これはまったく違って、響きはどこまでもクリアだ。
むろんそれがシノーポリにとって必須の条件であったことは容易に想像できる。
それにしても、R.シュトラウスのスコアの隅々までをここまで明晰に読み取るあたりは、さすがシノーポリの面目躍如たるところ。
シュターツカペレ・ドレスデンの超凡な各能力が「素材」として使われている、という感がなくはないけれども、これだけ美しい仕上がりを突きつけられれば屈服するほかはない。
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