2022年05月22日
畏敬の念すら覚える🤷♂️ロシアン・ピアニズムの系譜、20世紀半ば生まれ以降、これ以上のピアニストはいないと実感させる👍ソコロフのショパン:前奏曲集
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グリゴリー・ソコロフは1950年生まれで、何度か来日しているが、ディスク録音の上ではようやく1994年から日本にお目見えしたといえる。
ソコロフは、1966年、16歳という若さでチャイコフスキーコンクールに優勝、世間にその名を轟かせた。
輝かしい経歴を持つにも関わらず彼の録音は極めて少なく、コンサート活動もあまり積極的には行っていない。
それにもかかわらず、これまで耳にした数点の録音は、いずれも驚嘆に値する出来ばえである。
常々弊ブログで発信しているように、ロシアという土地が本物のピアニスト、本物の芸術家を生み出す力に、つい畏敬の念すらおぼえてしまう。
ソコロフの疑いなく巨きな姿は日本のディスク・ファンの前にまだ半分も見えていまいが、このショパンの《24の前奏曲》も実に素晴らしい。
《24の前奏曲》には、かねて名演も多いのだが、数年前にこのディスクを聴き終えたとき、筆者には、かつてこれ以上の演奏はなかったという実感があった。
したがって、正直にこの1枚を推すことにする。
完璧無比のテクニックと、聴くものの心をわしづかみにする驚異的な集中力で、根強いファンを持つソコロフのショパンの名演奏だ。
ソコロフの演奏は、どの曲でもフレーズのはしばしにまで深い思念をこめ、まさしく人間の手わざとしてピアノを響かせるもので、音符の間(ま)に得も言われぬ詩情の香りが漂う。
曲によっては緩いテンポをとるが、内面からの息吹が豊かであるため、少しもだれない。
1フレーズ、1音符のかげに濃い感動を滲ませ、切れば血を吹くような音楽を奏でるピアニストはいま、貴重である。
いま最も注目すべきピアニストの1人だ。
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