2012年04月23日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのシューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」(1953年ライヴ)


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数あるフルトヴェングラーの「ザ・グレート」の録音の中で、筆者が最も感動するのが、1953年8月30日のザルツブルク音楽祭の実況盤である。

愛と音楽する喜びに満ち溢れ、聴く者の心をつねに明るさで満たしてくれる「ザ・グレート」は、他にはないのではなかろうか。

筆者の態度はつねに今耳にするフルトヴェングラーこそ至上という主義があるにしても、フルトヴェングラー・コンサートとは、いつもこんな風だったのだろうか。

この「ザ・グレート」を聴き、何度同じ思いを抱いたことだろう。

イエスのような愛をもってフルトヴェングラーが音楽を開始すると、ウィーン・フィルの楽団員たちは、「過ちはフルトヴェングラーが正してくれる。我々はフルトヴェングラーが望むであろう音楽を全力で演奏するんだ」とでもいうかのように演奏を始めている。

フルトヴェングラーと楽団員たちの音楽への愛は、一人一人の聴衆へと浸透し、フルトヴェングラー・コンサートは、そうした音楽愛によって結ばれた共同体を形成するのである。

それにしても、この日のフルトヴェングラーはどうだっただろうか。

劇的で、ときにアゴーギクを利かせたいつもの高揚の調べは、深い比類のない瞑想によって、若干薄められて、円熟した、明るく澄んだ輝きを帯びていないだろうか。

どうもこの演奏のころから、最晩年様式へとフルトヴェングラーは変貌を始めたのではなかろうか。

フルトヴェングラーの演奏は、実際経験しないとわからないという話を何度となく本で読んだことがあるが、指揮者、楽団員、聴衆の三者が、音楽への愛で一体化した演奏会こそ、それこそ体験してみなければわからないのではないだろうか。

科学的筆跡学の創始者クラーゲスが、フルトヴェングラーの筆跡から「これはおそらく宗教界の教祖でしょう。芸術家だとはまず考えられない。悲劇作家ならまだしも」と述べたのは、そのフルトヴェングラーの本質に触れていたことの証なのだろう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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