2012年04月25日
フルトヴェングラーのベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(レーン)/レオノーレ序曲第3番
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、録音当時(1944年)のベルリン・フィルのコンサートマスター、エーリヒ・レーンがソロを受け持っている。
フルトヴェングラーはこの協奏曲の録音を5種類残しており、うち3種類はメニューイン(他はシュナイダーハン)で、レーン盤を除けば全て戦後録音であり、一番「らしさ」が出ている演奏は、やはりこの演奏であろう。
同曲異演盤が数多く存在するフルトヴェングラーのベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲だが、レーンとの戦中の演奏は外す事ができない録音。
フルトヴェングラー・ファンであれば一度は耳にした事がある定番演奏であろう。
レーンのフルトヴェングラーとの共演回数は他のソリストより桁違いであり、両者が織り成す「阿吽の呼吸」は絶品。
また、レーンの演奏はテクニック重視されがちな現代のものとは一線を画し、お手本ともいえる見事な演奏。
録音はライヴとしてはなかなか良く、このヴァイオリニストの明るい艶のある音色を楽しめる。
まるでイタリア人のように幸せでのびのびとした音色と弾き方であり、健康的、時に耽美的であり、この曲の持つほの暗さや、高音でのヴァイオリンの煌きなどはこの演奏でしか味わう事ができないかもしれない。
フルトヴェングラーの指揮はメニューイン盤とシュナイダーハン盤の中間やや後者よりで、第1楽章の第2主題とか、その後の経過句における情緒的なテンポの動きはこのほうが大きいかもしれない。
コンセルトヘボウ管との《レオノーレ》序曲第3番は、マイクがオンで、特にティンパニと金管が前面に出ており、フルトヴェングラーらしい含みは後退しているものの、トスカニーニ的な迫力は随一で、注目すべきCDといえよう。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。