2012年06月26日

フルトヴェングラーのベートーヴェン:フィデリオ(SACD)


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筆者はこのスタジオ録音の直前に行われた、アン・デア・ウィーン劇場におけるライヴ録音も持ってるのだが、フルトヴェングラーが意外と燃えておらず、演奏はむしろスタジオ録音のほうを採りたい。

スタジオ録音はセリフがカットされている。

ベートーヴェンに限らないが、ディスクで何回も聴くには、このように音楽だけのほうが良いように思う。

音質は従来盤でもかなり良く、歌手も揃い、フルトヴェングラーの指揮もきっちりとしているので、モノーラル時代には《フィデリオ》の代表盤であったという。

歌手ではレオノーレ役のメードルが白眉だ。

激しい気迫に女性的な魅力が加わり、技巧も優秀である。

フロレスタン役のヴィントガッセンも明るくのびる美声が正義の人柄を伝え、ドン・ピツァロ役のエーデルマンも、いかにも憎々しげな音色を出している。

ただし、ドン・フェルナンド役のペルだけは声が俗っぽくて採れない。

フルトヴェングラーは夢中になりすぎることなく、やるべきことをすべてやり尽くしている。

「第7曲」の内面的な迫力、速いテンポによって、久しぶりに太陽の光を見た、囚人たちの興奮を伝える「第10曲」、ここではコーラスのしゃべるような発音が巧い。

「第11曲」の遅いものものしいテンポと、気味の悪い雰囲気、「第14曲」のドラマティックな起伏、さらには「フィナーレ」の心弾む勝利の調べなど、われわれがこの曲に期待する表現を、ピタリと探り当てたものといえよう。

録音は1953年のスタジオ録音であり、従来盤でもフルトヴェングラーのCDとしては比較的満足できる音質であったが、今般のSACD化によって見違えるような鮮度の高い音質に生まれ変わった。

とりわけ、第1幕の終結部の「囚人の合唱」や第2幕第2場の「囚人と民衆の合唱」、各歌手陣の息遣い、そして第2幕冒頭の低弦の細やかな動きまでが鮮明に再現されるのは、殆ど驚異的ですらあると言える。

いずれにしても、フルトヴェングラーによる歴史的な名演を、現在望み得る最高の高音質SACDで味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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