2012年04月29日
フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》(1953年ライヴ)
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1953年5月30日 ウィーン楽友協会大ホールに於けるライヴ録音。
1953年度ウィーン音楽祭開幕の「第9」録音である。
表現はバイロイト盤に最もよく似ているが、あれほどの燃焼度は示しておらず、やや物足りない。
とはいえ、やはりすばらしい部分は多々あって、特に第3楽章第2テーマの美しさや、つづく第1変奏の遅いテンポと、それを支えるピチカートの強さなど、ことによるとバイロイト盤をも凌ぐかもしれない。
全体としてウィーン・フィルの第2ヴァイオリンの実力が大きくものを言っているのである。
第1楽章もさすがに立派で、実にたっぷりとした音楽が満ちあふれてくる。
フルトヴェングラーのウィーン・フィルとの「第9」の中では最良のものではないだろうか。
演奏の美しさでは1952年の「ニコライの第9」に若干劣るような気がするが、安定感があり、ウィーン・フィルの歌心も充分に発揮されている。
演奏の柔軟さでは「ニコライの第9」と肩を並べ、1951年の「ムジーク・フェラインザールの第9」や「ザルツブルクの第9」が若干硬直した演奏に感じるのに対して、この演奏が優っていると思われる。
録音は若干木管楽器がオンマイクだが、弦楽器も充分に豊かに響くので、それほど気にならない。
ウィーン・フィルとの「第9」の中では最良の音質と思われる。
また、曲間など、まったく編集されていないので、まさにその場で聞いているような臨場感に浸れる。
総合的に見て、かなり優秀な出来のCDだと思う。
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