2012年05月03日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》


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1951年10月29日、ミュンヘンのドイツ博物館コングレスザールでの実況録音。

フルトヴェングラーのブルックナーは、いずれも彼の人間的で生々しい体臭が濃厚な、いわばベートーヴェン風な解釈であり、表現自体はまことに高い次元に属する。

この《第4》も、フルトヴェングラーがかなり自己主張しているが、ほかの指揮者にない美しい部分も多々見られる名演になっている。

特にアンダンテは魅力的である。

冒頭のチェロの主題からして心のこもった歌が聴かれるが、一段落したあとのヴァイオリンの合いの手が、音色をがらっと変えて出てくるところ、ブルックナーの意図と見事に合致したすばらしさである。

つづく木管の音色の瞑想や、弦の深いひびきもさすがだが、間もなくヴィオラがピチカートを背景にして、副主題がめんめんと歌ってゆく。

このブルックナーの散策の足どりは、フルトヴェングラーの独壇場であろう。

一つ一つのフレーズの終わりに、音楽が停止してしまうような大きなリタルダントが掛かり、絶え入るばかりのディミヌエンドが併用される。

この部分、曲想から考えてほとんどの指揮者は多かれ少なかれリタルダントを掛けるが、フルトヴェングラーのは異常だ。

ある作曲家が「思わず吹き出してしまった」と述懐していたが、筆者にはフルトヴェングラーの気持ちが実によくわかるのである。

もちろんいささかやりすぎだとは思うが、音楽の本質とぴったり合っているために抵抗を感じないのであろう。

これを否定してしまったら、フルトヴェングラーの《第4》を聴く意味はないし、おそらく、このCDの中で最も印象的な部分といえるのではないか。

またアンダンテ全体を通じて、ウィンナ・ホルンの魅力も特筆すべきである。

フィナーレ第2主題の、遅いテンポによる心を込め抜いた歌にも打たれるし、第1楽章最初のホルンも文字通りロマンティックだ。

楽譜は〈改訂版〉によっている。すでに〈ハース版〉が世に出てから15年も経った1951年に、フルトヴェングラーが古いスコアを使ったのは興味深い現象だ。ただし、スケルツォ再現における省略だけは行っていない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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