2012年05月08日

フルトヴェングラーのワーグナー:《ニュルンベルクのマイスタージンガー》(1943年バイロイト・ライヴ)


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1943年度のバイロイト音楽祭での実況盤であるが、残念なことに第1幕第1場の主要部から第2場の初めにかけてと、第3幕第4場の5重唱が欠落している。

部分的な欠落はあるが、バイロイトのフルトヴェングラーを知るためには欠かせぬもので、1943年のステージの録音とは思えぬほど音も良好で、特に独唱が鮮明に入っているのはありがたい。

フルトヴェングラーのワーグナー録音の中でも最も充実しているものの一つが、大戦末期のバイロイト音楽祭での《マイスタージンガー》。

1940年代に活躍したローレンツ、ミュラー、フックス、プロハスカなど超豪華なキャストを擁し、フルトヴェングラーも昂揚の限りを尽くしたかのような奇跡的な名演である。

フルトヴェングラーの指揮は、例によってドラマの内容を最大限に生かそうというもので、それを歌手たちが100パーセント体現し、ポルタメントなどの過剰が古くさく感じる反面、心理描写の表現は実に見事だ。

特にハンス・ザックス役のプロハスカ、ベックメッサー役のフックスが巧く、エヴァ役のミュラーも美しい。

フィナーレのザックスの語りと最後の合唱に見せる緊張と高揚はフルトヴェングラーのワーグナー観を最も説得力のある形で示したものといえるだろう。

《指環》などではフルトヴェングラー流のワーグナーに抵抗もあるが、《マイスタージンガー》の場合は曲調と指揮者の個性とがマッチしており、コーラスのもやつくのを我慢すれば、フルトヴェングラー・ファン、ワーグナー・ファンともに充分に楽しめる。

これこそ真のドイツ魂の発露であり、この指揮者の味の濃さと豊かな雰囲気が生きた場合といえよう。

このフルトヴェングラーの歴史的録音は、1937年にトスカニーニがウィーン国立歌劇場管弦楽団を指揮した《マイスタージンガー》の全曲ライヴ録音と双璧をなすといえる最高にすばらしいものである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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