2012年05月29日

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番(1952)/交響曲第40番(1944)(バドゥラ=スコダ/ウィーン・フィル/フルトヴェングラー)


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モーツァルトのピアノ協奏曲第22番は、1952年1月27日のシェーンブルン宮殿に於ける実況録音であるが、モーツァルトのスタイルをまったく無視したフルトヴェングラーの指揮ぶりである。

音も気持ちも澄んでおらず、激しすぎるフォルテやアタック、重すぎるレガートが頻出し、第2楽章にはモーツァルトらしからぬ内心の吐露が見られる。

かなり粘っこいロマン性がここにあり、むしろベートーヴェンに適した表現といえよう。

バドゥラ=スコダもフルトヴェングラーの影響を多分に受け、音色変化やルバート、とろけるようなレガートや最弱音を駆使し、心を大切にした弾き方である。

特に第1楽章の展開部後半から再現部前半にかけてが印象的だが、全体としては今一歩の突っ込みが不足し、やはり指揮者に引きずられてここまでできたというのが本当のところであろう。

1944年6月2-3日、ウィーンでのライヴ録音は、フルトヴェングラーのモーツァルト「40番」の中でもベストの演奏で、音質が良いのにまず驚かされる。

きわめて豊かで歪みがなく、残響が異常に長いのは人工的につけ加えているのかもしれないが、決して嫌味ではない。

演奏スタイルはわざとらしい素っ気なさがなく、ウィーン・フィルの艶やかで甘美な弦の音色を徹底的に生かしているのが成功の原因であろう。

第1楽章はなんといってもヴァイオリンの魅力がすばらしい。

主題のポルタメントはワルター&ウィーン・フィルを先取りしたものであり、テンポの微妙なためらい、動かし方、第2主題の大きな歌など、すべてがここでは新鮮に響く。

テンポも速めだが速すぎず、提示部の反復も行われていない。

第2楽章の出はファースト・ヴァイオリンのみ、かなり強く、ポルタメントも濃厚で、音楽がたった今生まれたかのようだ。

弦のテーマを木管のリズムが飾る部分は、木管を消すくらい弦を歌わせて、やはりフレッシュな音楽美を創造する。

もっとも、1948年盤を聴き直すと、同じことをやっているのだが、そのほうは効果がまったく上がっていないのだ。

弦の高貴な音色はメヌエットからフィナーレにかけても変わりがないが、それだけに後者に凄味は皆無で、ただただ優美なモーツァルトを目指しているのである。

フルトヴェングラーとしては珍しいケースといえよう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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