2012年06月08日
サヴァリッシュのモーツァルト:魔笛
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廉価盤なのであまり期待をせず購入したディスクであるが、幸いなことに、この演奏は第一級の超名演であり、1970年代に録音されたレコード用オペラ演奏の中でも、特筆に値する奇跡の名盤である。
サヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場管は、擬音効果をふんだんに用いたリアルな表現で、今まで聴いた中で最も雰囲気のある演奏。
モル(Bs)のザラストロ、シュライヤー(T)のタミーノ、モーザー(S)の夜の女王、ローテンベルガー(S)のパミーナ、ベリー(Bs)のパパゲーノといったキャストで、1970年代を代表する歌唱陣も優れたもので、特にアンサンブルに素晴らしい出来を示している。
今は、こんな贅沢なキャストを集めることは、不可能。
シュライヤーのタミーノも、デイヴィス指揮の新盤の衰えはみられず、美声で若々しく歌っていて見事である。
歌手もオケも録音も、そしてもちろんサヴァリッシュの指揮も、全く隙なく素晴らしい。
伝統的かつ洗練された内容で、テンポも良いし軽快でいて繊細、演奏全体としてはこれまで聴いた中で一番流麗かもしれない。
これまでいろいろな《魔笛》を聴いてきたが、生き生きとした、ひたすら音楽を楽しいと感じさせるこのパフォーマンスを上回る録音を知らない。
《魔笛》のスコアに語らせた、自然体のスタイルで、サヴァリッシュの代表的名盤の第一に指折りたい録音である。
《魔笛》があまり好きではない、という人にも推薦できる。きっと新しい魅力を発見できることであろう。
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