2012年07月02日
カラヤン&ベルリン・フィルの美しく青きドナウ〜シュトラウス:ワルツ・ポルカ・マーチ集[SACD]
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本盤には、カラヤンがベルリン・フィルを指揮して1966年に録音したヨハン・シュトラウス、同2世、ヨゼフ・シュトラウスによるウィンナ・ワルツ集が収められている。
オーストリア人であったカラヤンは、ウィンナ・ワルツを得意中の得意としており、録音の点数もかなりの数にのぼっている。
ベルリン・フィルとは、本演奏の3年後にもヨハン・シュトラウス2世やヨゼフ・シュトラウスのその他のワルツ集をスタジオ録音しているし、1980年にも3枚にわたるウィンナ・ワルツ集のスタジオ録音を行っている。
そして、ウィーン・フィルとの演奏では、1959年のスタジオ録音と、最晩年の1987年のニュー・イヤー・コンサートのライヴ録音が名高いところである。
この他にも数多くの録音が遺されているが、これはカラヤンが、自分の祖国の音楽として、ウィンナ・ワルツに深い愛着を持っていた証左と考えられる。
それだけに、いずれの演奏も名演であるが、特に、カラヤンの個性が全面的に発揮された名演ということになれば、カラヤン、そしてベルリン・フィルが全盛期にあった本演奏(加えて1969年の演奏)を掲げたい。
全盛期のカラヤン&ベルリン・フィルの演奏は、分厚い弦楽合奏、ブリリアントなブラスセクションの響き、桁外れのテクニックをベースに美音を振り撒く木管楽器群、そして雷鳴のように轟きわたるティンパニなどが、鉄壁のアンサンブルの下に融合し、およそ信じ難いような超絶的な名演奏の数々を繰り広げていた。
カラヤンは、このようなベルリン・フィルをしっかりと統率するとともに、流麗なレガートを施すことによっていわゆるカラヤン・サウンドを醸成し、オーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマを構築していた。
本盤に収められた各楽曲の演奏においてもそれは健在であり、どこをとってもいわゆるカラヤン・サウンドに満たされた極上の美演に仕上がっていると言っても過言ではあるまい。
そして、これらの各楽曲におけるカラヤンの聴かせどころのツボを心得た語り口の巧さは筆舌に尽くし難いものがあり、まさに本盤に収められた各楽曲の演奏は、あらゆる意味で非の打ちどころがない圧倒的な超名演と言える。
聴き手によっては、ウィンナ・ワルツの演奏としてはシンフォニックでゴージャスに過ぎると言った批判も十分に予測できるところであるが、筆者としては、これだけの圧倒的な音のドラマで楽曲の魅力を堪能させてくれた本名演に文句は言えないのではないか。
本盤については、国内盤が長らく廃盤であり入手難が続いており、リマスタリングの対象にもならなかったことから、必ずしも満足な音質とは言い難い初期盤を長らく愛聴してきたところである。
しかしながら、今般、ついにシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化が図られることによって、従来CD盤をはるかに凌駕するおよそ信じ難いような圧倒的な高音質に生まれ変わった。
本シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤の艶やかな鮮明さや臨場感にはただただ驚愕するばかりであり、あらためて当該シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤の潜在能力の高さを思い知った次第である。
いずれにしても、カラヤン&ベルリン・フィルの全盛期の至高の超名演を、現在望み得る最高の高音質を誇るシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。
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コメント一覧
1. Posted by 素浪人春夏秋冬 2012年03月23日 20:49

3. Posted by 和田 2012年03月23日 22:14
素浪人春夏秋冬さん、コメントありがとうございます。
カラヤンのCDは私のブログからも買えますので、そうしていただければありがたいです。
カラヤンのCDは私のブログからも買えますので、そうしていただければありがたいです。