2012年07月23日

ラトル&ベルリン・フィルのチャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」


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2009年のジルベスターコンサートに、一部スタジオ録音を加えたラトルによる新録音であるが、ラトル&ベルリン・フィルの現在最高の黄金コンビの深化を感じさせる名演である。

これまでの『くるみ割り人形』のイメージを払拭する最高の解釈で最高の演奏家たちがワクワクドキドキしながら新鮮に取り組んだ衝撃的録音。

『くるみ割り人形』の真の魅力を知らしめた世界最高の演奏家たちによる渾身の名演で、ジャンルを超えた美しさを誇り、かつてないセクシーな演奏といえよう。

全体としては実に軽やかな演奏を行っている印象を受ける。

このあたりは、フルトヴェングラーやカラヤン時代のベルリン・フィルの凄みのある重厚な分厚い音色を知っている聴者からすれば、いささか軽妙浮薄の誹りを免れないが、現代の古楽器奏法などが全盛を誇っている演奏傾向にかんがみれば、筆者としては許容範囲ではないかと考える。

むしろ、12時の鐘(これがいかにも弱すぎるが)の後の「クララとくるみ割り人形」、「トレパーク」、「花のワルツ」、「パ・ド・ドゥの導入部」などにおける重量感溢れる演奏は、現代においてもなおベルリン・フィルが底力を失っていないと感じさせるような重心の低い分厚い音色を出しており、その意味では、ラトルは、ベルリン・フィルにおいて、いかなる音色をも自在に引き出すことができる色彩感豊かな音のパレットを会得したと言えるだろう。

ベルリン・フィルの技量も卓抜したものがあり、「スペインの踊り」におけるトランペットの妖しい音色など、幻惑されるような色彩美に満ち溢れている。

HQCDによる鮮明な音質も、本盤の価値を高めることに大きく貢献している。

かかる筆者の論評に関して、演奏内容の評価については現在でも殆ど付け加えることがないが、音質面については、今般、ついにSACD盤が発売されることになったことから、それについて言及しておきたい。

本SACD盤は、これまでの既発の従来CD盤やHQCD盤とはそもそも次元が異なる極上の高音質であり、音質の鮮明さ、音場の広さ、音圧のどれをとっても一級品の素晴らしい仕上がりであり、あらためて、SACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、ラトルによる素晴らしい名演を、このような極上の高音質SACD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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