2012年07月06日
ラトル&ベルリン・フィルのホルスト:組曲「惑星」(冥王星付き)
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ラトルは今日でこそベルリン・フィルを完全に掌握し、現代を代表する大指揮者の1人として数々の名演を成し遂げつつあるが、ベルリン・フィルの芸術監督に就任してから数年間は鳴かず飛ばずの状態が続いていた。
本盤には、ホルストの組曲『惑星』と、コリン・マシューズによる「冥王星」、そして、国籍の異なる4人の作曲家による宇宙をテーマとした小品が収められているが、このうち、メインの組曲『惑星』が、イマイチの凡庸な演奏に成り下がっていると言えるところだ。
ラトルも、ベルリン・フィルの芸術監督就任後は、名うての一流奏者たちを掌握するのに相当に苦労したのではないだろうか。
そして、プライドの高い団員の掌握に多大なる労力を要したため、自らの芸術の方向性を見失っていたのではないかとさえ考えられる。
それ故に、必然的に意欲だけが空回りした演奏に終始してしまっている。
本演奏も美しくはあるが根源的な力強さがない。
同曲を精緻に美しく描き出すことにつとめたのかもしれないが、本演奏を聴く限りにおいては、ラトルが同曲をこのように解釈したいという確固たる信念を見出すことが極めて困難である。
ラトルは1980年にも、フィルハーモニア管弦楽団とともに同曲を録音しているが、当該演奏の方が、若干の荒々しさは感じさせるものの、若武者ならではの気迫溢れる力強い熱演に仕上がっていたところであり、本演奏よりも数段優れた演奏のように思われる。
メインの組曲『惑星』と比較して、コリン・マシューズによる「冥王星」や、国籍の異なる4人の作曲家による宇宙をテーマとした小品については、録音自体がそもそも珍しい楽曲であることや、おそらくはベルリン・フィルも演奏した経験を殆ど有していなかったこともあって、ラトルのペースで演奏が行われているようにも感じられる。
したがって、組曲『惑星』よりもラトルの解釈が演奏にしっかりと刻印されているところであり、これらの楽曲の演奏に関してはなかなかに優れた演奏ということができるのではないだろうか。
音質は驚天動地の鮮明な高音質であり、本盤については、既にHQCD盤が発売されているが全く問題にならない。
あらためて、SACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第だ。
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