2012年07月08日
ドラティ&ベルリン・ドイツ響のマーラー:交響曲第9番
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1984年5月30日 ベルリン・フィルハーモニーに於けるライヴ/ステレオ録音。
ドラティのマーラーとは意外な組み合わせと思ったが、このディスクを購入した時期は筆者がマーラーに取り憑かれたかのごとく、ひたすらマーラーを聴き入っていた時期であり、聴き終えて大変驚いた。
これは超弩級の名演であり、このような名演がこれまで眠っていたことが信じられなかった。
1984年のライヴとのことであるが、次の年にライヴ録音を遺したバーンスタインの名演とは性格が全く異なる。
バーンスタインが人間のドラマとすれば、ドラティのは音のドラマということになろうか。
第1楽章は、ゆったりとしたイン・テンポの下、剛毅にして重量感溢れる音のドラマ。
第2楽章はまぎれもなく本名演の白眉で、他に類例を見ないほどの遅めのイン・テンポであるが、マーラーならではの舞曲を軽快にではなく、あたかも巨象の進軍のように演奏することにより、死を間近に控えたマーラーの狂気がダイレクトに伝わってくる。
第3楽章もテンポは遅く、かのジュリーニ盤に匹敵する遅さであるが、ジュリーニの柔和さとは異なり、剛直そのもの。
終結部も、バーンスタインが行ったアッチェレランドなど、薬にしたくもない。
終楽章は、実にコクのある重厚な表現で、ここに至って緩急自在のテンポ設定やアッチェレランドなどが現れるが、その卓越した表現力には評価する言葉が思いつかないほどだ。
演奏終了後の聴衆の熱狂もむべなるかなと思わせる。
録音も生々しささえ感じるほどの優秀さであり、本名演を心ゆくまで堪能できる。
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