2012年07月12日

ジュリーニ&ウィーン・フィルのブラームス:交響曲第1番、ハイドン変奏曲


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ブラームスを得意としたジュリーニであるが、1990年代に録音されたウィーン・フィルとの全集は、いかにも晩年のジュリーニらしいゆったりとしたテンポによる堂々の貫禄とも言うべき器量の大きさをもった名演揃いだ。

本盤に収められた「第1」は、冒頭の和音はソフトなフォルティッシモで開始されるが、その後はゆったりとしたテンポによる堂々たる進軍を開始する。

この進軍は主部に入っても微動だにしないが、他方、隋所に現れるブラームスならではの抒情的旋律については、これ以上は不可能なくらい美しく、かつ風格豊かに歌い上げている。

第1楽章の遅いテンポと克明・入念な表情は、いつもながらのジュリーニと言える。

内容的には充実感が強く、こまやかな陰影にも不足はない。

このような風格豊かな旋律の歌い方は、第2楽章や第3楽章でも同様であり、これは最晩年のジュリーニが漸く到達した内省的な表現が印象的な至高・至純の境地と言えるだろう。

第4楽章は、再び巨象の堂々たる進軍が開始されるが、主部の名旋律の演奏の何と歌心に満ち溢れていることか。

何よりもジュリーニが素晴らしいのは、これほど遅いテンポをとっても、全体の造型にいささかの揺るぎもなく、決して違和感を感じさせないこと。

ジュリーニの演奏を見事に支えるウィーン・フィルの重厚にして優美な演奏も素晴らしいの一言であり、この「第1」は、ジュリーニの渾身の超名演と評価したい。

「ハイドンの主題による変奏曲」にも同様のことが言える名演であるが、特に、第7変奏の筆舌には尽くし難い美しさは、空前にして絶後と言えるのではないだろうか。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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