2012年07月28日

パーヴォ・ヤルヴィのショスタコーヴィチ:交響曲第10番 他


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パーヴォ・ヤルヴィの最近の好調ぶりをあらわした大変美しい名演だと思う。

もちろん、表面だけを繕った美演は他にも多くあるが、パーヴォ・ヤルヴィの素晴らしさは、内容においても彫りの深い精緻な演奏を行っているという点にある。

第1楽章冒頭の低弦の響かせ方からして、ただならぬ雰囲気を感じる。

その後は、決して絶叫したりはせず、ひたすら精緻に丁寧に曲想を描いてゆくが、それでいて安全運転の印象を与えることは全くない。

ショスタコーヴィチならではの透明感溢れるオーケストレーションを透徹したアプローチで丁寧に表現していく。

第2楽章は一転して劇的な表現であり、その迫力はなかなかのものであるが、ここでも金管がわめくという印象はいささかも受けない。

第3楽章は更に精緻な表現を徹底しており、ホルンなど決して割れた音を出させず、抒情溢れる美しさには比類がないものがある。

終楽章は、テンポがめまぐるしく変化するなど、なかなかまとめるのに難渋する楽章であるが、パーヴォ・ヤルヴィは決して雑には陥らず、ここでも精緻で丁寧な表現に徹し、全曲の締めくくりに相応しい見事な演奏を行っている。

トルミスは、ショスタコーヴィチを崇敬していた、同郷のエストニアの作曲家であるとのことだが、このような意外性のあるカップリングを行ったのも、パーヴォ・ヤルヴィの抜群のセンスを証明するものと言えるだろう。

録音は、テラークならではの鮮明な名録音と評価したいが、できれば、SACDマルチチャンネル盤を出して欲しいと思ったのは、筆者だけではあるまい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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