2012年08月22日

ブーレーズのシェーンベルク:モーゼとアロン(旧盤)


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ブーレーズは、「モーゼとアロン」を2度にわたって録音しているが、本盤に収められたのは旧盤で、仏ADFディスク大賞受賞盤。

シェーンベルク演奏のひとつの極致を示す名演である。

最近では好々爺になりつつあるブーレーズが、前衛的な切れ味鋭い演奏を繰り広げていた時代の名演であり、筆者としては、やや角が取れた新盤よりも本旧盤の方をより高く評価したい。

シェーンベルクの未完の大作、しかも、十二音技法によって作曲された決して耳当たりのいいとは言えないこのオペラは、現在でこそ輸入盤を含めると何点かの録音が存在しているが、本盤が録音された1970年代半ばでは、きわめて珍しいものであり、本盤登場時の衝撃は想像に難くはない。

ロスバウト盤に続く国内2組目の同オペラ全曲盤であった。

ブーレーズの指揮は精妙きわまりない表現と透徹した把握が素晴らしい。

音色の鮮明さ、リズム感の鋭利さ、それらを劇的な効果と寸分の隙もなく直結させる表現力の確かさ、それはほとんど透明で官能的な明るさを湛えている。

それほどまでに、本演奏の切れ味鋭い精緻なアプローチは、シェーンベルクがその複雑なスコアに記した音符の数々を明瞭に浮かび上がらせ、複雑怪奇な本オペラの魅力を余すことなく我々聴き手に提示してくれたのが素晴らしい。

歌手陣も優秀であり、特に主役の2人、モーゼ役のギュンター・ライヒとアロン役のリチャード・キャッシーの重厚にして卓抜した歌唱が、本演奏の価値を高めることに大いに貢献している。

BBC交響楽団や合唱陣の好演も見過ごすことはできない。

併録の室内交響曲第2番も、この時期のブーレーズならではの透徹した尖鋭的アプローチが見事な名演だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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