2012年07月24日
ミュンシュ&ボストン響のブラームス:交響曲第2番&第4番
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ブラームスやベートーヴェンなどの独墺系の音楽を得意としたミュンシュならではの重厚な名演である。
本盤を、指揮者やオーケストラの名前を伏して聴いても、とてもフランス人の指揮者による演奏とは思えないだろう。
それくらい、厳しい造型の下、重心の低い重量感溢れる演奏で一貫している。
ミュンシュの感覚の良さはともすれば冥想的に傾いて、形式的な面の明確さを欠く演奏になりがちなのを、まことに造型のしっかりした表現にしている。
それだけに、すっきりとして、どこにもこねまわしたところがなく、曲の隅々まで透明で、明快なブラームス像を描いている。
ボストン響の緻密で洗練されたアンサンブルの演奏力が裏付けとしてあるからであろう。
特に美しい弦と輝かしい金管パートを基本にして、実に美しいアンサンブルであり、なめらかな艶がある。
作品に真正面から取り組み、激しい燃焼度で突き進んでいく若々しさと、壮大なスケールで音楽を高潮させてゆく手腕はミュンシュの真骨頂。
もちろん、イン・テンポというわけではなく、例えば「第2」の第1楽章の終結部でテンポを大幅に落としたりするなど、隋所にミュンシュならではの個性的な解釈も垣間見える。
それでも、決してやり過ぎの印象を与えないのは、ミュンシュが、ブラームスの本質をしっかりと鷲掴みにしているからであると思われる。
また「第4」ではミュンシュの作品に寄せる愛情がにじみ出た演奏になっており、聴き応え満点である。
特に両交響曲のフィナーレで沸騰点に達するパッションは、他からは聴くことが出来ない。
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