2012年07月25日
ザンデルリンクのR. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」/シューベルト:交響曲第8番「未完成」
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『英雄の生涯』も『未完成』も、ザンデルリンクならではの重厚にしてオーソドックスな名演だと思う。
とにかく、安心して楽曲の魅力を心ゆくまで味わうことができるのが素晴らしい。
『英雄の生涯』(rec. 30/09/1975)は、既に1972年のライプツィヒ放送交響楽団とのライヴ録音が発売されており、それとの優劣をつけることはなかなか困難である。
しかしイン・テンポを基調としつつ、楽曲の持つドラマティックな要素をいささかも損なうことないという、ある意味では二律背反することを事もなげに成し遂げている点に、ザンデルリンクの類いまれなる才能と、ドイツ音楽への適性を感じる。
筆者の友人にR.シュトラウスの『英雄の生涯』が苦手な人がいて、どうも相性が悪いのか、あまり好きになれないらしい。
しかしこのザンデルリンクの演奏を耳にすれば、それまでの苦手意識が薄らぐのではないかと思えるほどに雄渾で見事な演奏内容。
『未完成』(rec. 17/04/1978)は、ザンデルリンクの演奏としては、初出ということらしいが、期待に違わぬ素晴らしい名演だ。
『英雄の生涯』と同様に、中庸のテンポを基調とするオーソドックスな演奏であるが、だからと言って平板には陥ることはなく、深沈とした抒情を湛えた何とも言えない深みがあり、『未完成』の持つ魅力を最大限に表現してくれている。
本盤の他に、現時点で録音が遺されていないのが不思議なくらいだ。
録音も、コンサートの雰囲気を見事に捉えており、1970年代のライヴ録音としては優秀な部類に入る。
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