2012年07月26日

大植英次のマーラー:交響曲第9番


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おそらくは史上最も遅い部類に入るマーラーの「第9」だろう。

過去の歴史的な名演を揚げるとすれば、戦前のワルターが70分前後、師匠のバーンスタインがコンセルトヘボウと録音した名演が約89分。

これらと比べると、本盤の演奏の約96分というのは異常な遅さであることがわかる。

まるでブルックナーにおけるチェリビダッケ(ミュンヘン・フィルと組んだ後年の録音)のようであるが、曲がマーラーだけに、こうした演奏も十分に許容範囲である。

「レコード芸術」風に評価すれば、第1楽章は準推薦、第2楽章は無印、第3楽章と第4楽章はともに推薦で、トータルとして推薦に値する名演と評価したい。

第1楽章はかなりの遅いテンポであるが、冒頭のヴァイオリンで奏される旋律に独特のためを入れたりするなど、はじめて聴くような新鮮な箇所もある。

ややもたれる感もないわけではないが、聴きどころには事欠かない。

第2楽章は、テンポの遅さが完全に裏目に出て、音楽が全く流れない。

マーラーの作曲したシニカルな舞曲が、これでは台無しである。

ところが、第3楽章。これもテンポは遅く、かのジュリーニ盤を思わせるが、ジュリーニ盤とは異なり決してもたれるということがない。

それどころか、踏みしめるような重いリズム感が、内包するシニカルな悲劇を我々聴き手にダイレクトに伝えてくれる。

これだけの遅いテンポで、最後まで緊張感が揺るがないのは、とてつもない至芸であると思う。

第4楽章は、師匠のバーンスタインと表現が酷似、ゆったりとしたテンポで、マーラーの絶世の名旋律を心ゆくまで歌い抜いている。

それにしても、ハノーファー北ドイツ放送フィルは、よくもこのような個性的な指揮についていったものだ。

これは、相当に練習したであろうし、指揮者とオーケストラの深い絆がないとできない至芸であると言えるだろう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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