2012年07月27日
パッパーノのヴェルディ:レクイエム
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最近はCDでも登場回数が増えてきたイタリア人指揮者パッパーノが、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団&合唱団を振って、アニヤ・ハルテロス、ソニヤ・ガナッシ、ロランド・ヴィラゾン、ルネ・パーぺといった、スター級の4人の花形ソリストたちを迎えて、壮麗なヴェルディの『レクイエム』を2009年1月にローマで演奏、録音した。
一言で言えば、あまたのヴェルディの『レクイエム』の演奏の中でも、最もダイナミックレンジの広い演奏の一つと言えるのではなかろうか。
冒頭の導入部は、ほとんど聴きとれないような最弱音で開始され、この先どうなるのかと思って、ボリュームを少し上げたところ、「怒りの日」のぶっ飛ぶかというようなド迫力に、思わず面喰ってしまった。
ライナーの解説によれば、パッパーノは、この冒頭の導入部にこそ、ヴェルディの天才性があるとしており、この冒頭の最弱音による演奏には相当に深い意味を見出しているのであろう。
演奏全体を俯瞰すれば、起伏の大きい演奏ということになる。
いかにもイタリア系の指揮者パッパーノならではのオペラ風の劇的な演奏と言える。
ヴェルディだから、それも主にオペラを主舞台としている(ピアニストでもあるのだが)パッパーノ指揮によるイタリア陣の演奏だから、宗教曲というよりオペラティックになるのは想定範囲ではあった。
したがって、いわゆるレクイエム的な性格からはやや外れているとも言えるが、巷間言われているようなヴェルディの『レクイエム』が内包するオペラ風の「音のドラマ」を見事に体現しており、その意味では、聴き手によって、好き嫌いが分かれる演奏になるのかもしれない。
筆者としては、気鋭の指揮者パッパーノによる意欲的で劇的な名演として高く評価したい。
HQCD化の効果はいま一つの印象で、もう少し鮮明さがほしいと思った。
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