2012年08月05日

ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管ライヴ集


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このコンビの来日公演があまりにすばらしかったので、思わず買ってしまったが、予想通りの名演であった。

ゲヴァントハウス管の魅力満載のディスク集で、決して優れたソリストを擁している(ベルリン・フィルのように)というわけではないが、全体としてとても性能が高く表現力が高い。

シャイーが振ると「巧い」だけのゲヴァントハウス管が、魂の音楽を奏でており、とにかく実に細部に至るまで念が入っている。

決して情緒に浸らないところはブロムシュテットらしいが、それでいて表情の彫りが深くダイナミックだ。

昨今、特にシャイーが就任してからのゲヴァントハウス管は、どうも響きが雑になってしまった。

しかし、ブロムシュテットの時代は違う。

オケのポテンシャルを自然体で引き出すブロムシュテットに引導され、知・情・意の見事な均衡を見せている。

特にメンデルスゾーンが素晴らしい。

メンデルスゾーンはこのオケの十八番中の十八番として知られているが、いくらそのような曲でも、指揮者の解釈如何によっては名演にも駄演にもなり得てしまう。

例えばコンヴィチュニーは遅めのテンポをとっており、仄暗くも壮大なスケールに仕上げているが、見方によっては緊張感の不足を感じてしまうだろう。

最近出たシャイーも、歴史考証自体は面白いが、オケの響きが乱雑で、テンポも拙速に過ぎている。

ではブロムシュテットはというと、彼らしく“中庸”である。

しかし決して面白みに欠けることはなく、キビキビとした運びで、よく躍動し、しかも歌うところではよく歌うといった具合に非常にバランスがよいのだ。

他に、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーといったドイツ本流の作曲家も秀逸。

少しの奇の衒いもない、正攻法の表現は、個性ばかり出そうと躍起になる余り曲の魅力を損ねることの多い昨今の音楽界にあって、大変貴重と言えよう。

録音も、いぶし銀の重厚なサウンドをよく捉えた硬派な仕上がりである。

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classicalmusic at 21:13コメント(4)ブロムシュテット  

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2022年04月13日 10:02
大変評判の良いライヴ集ですが,曲目の解説が無いのはいささか説明不足ですね。ブロムシュテットが得意にしているメンデルスゾーン3番だけではなく,ブルックナー3番,ブラームス2番そしてべートーヴェン5番辺りも秀演と聞いています。その辺りを解説していただくと一登録者として欣快です。それにしてもゲヴァントハウス管の歴代カペルマイスターは他のオーケストラに比べひときわ精鋭揃いですね。
2. Posted by 和田   2022年04月13日 10:14
収録情報は以下の通りです。
・ブルックナー:交響曲第3番『ワーグナー』(1873年第1稿)録音:1998年9月3、4日
・ブラームス:交響曲第2番 録音:2000年4月27、28日 
・ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』・ニールセン:交響曲第5番 録音:2000年10月5、6日 
・ヨハン・アダム・ヒラー:序曲『狩』・レーガー:ヒラーの主題による変奏曲・マットゥース:管弦楽のための協奏曲『RESPONSO』 録音:2004年9月9、10日
・メンデルスゾーン:『ルイ・ブラス』序曲・メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲・メンデルスゾーン:交響曲第3番『スコットランド』 録音:2004年11月5、6日

いずれも、ブロムシュテットの確固たる信念を感じ取ることが可能な、仰ぎ見るような威容を湛えた堂々たる名演に仕上がっています。この指揮者ならではの全体の造型の堅固さは健在ですが、スケールも雄渾の極み。シャイー時代になってオーケストラの音色に色彩感を増したと言われているゲヴァントハウス管弦楽団ですが、本演奏ではブロムシュテットの確かな統率の下、ドイツ風の重心の低い音色で重厚な演奏を繰り広げているのが素晴らしいです。全体としてはゆったりとしたインテンポを基調としていますが、ここぞという箇所では微妙にテンポを動かしており、それが演奏全体を四角四面にしないことに大きく貢献しています。ブラスセクションなども最強奏させていますが、無機的になることはいささかもなく、どこをとっても奥行きの深さを損なっていないのが素晴らしいです。
3. Posted by 小島晶二   2022年04月13日 20:20
有難うございます。私は学生時代ゲヴァントハウス管を生で聴いたことが有ります。マズア指揮のエグモント序曲の出だしを聴いただけで,その渋く重厚な音色にしびれました。コンヴィチュ二―,ノイマン時代にはもっと特徴的な音色を有していたことでしょう。シャイーはラテン系なので,このオーケストラには合わないのでは保守的な考えがよぎります。シャイーも才気あふれる指揮者ですが,彼ならバイエルン響の方が合う様な気がします。
4. Posted by 和田   2022年04月13日 20:30
私がブロムシュテット&ゲヴァントハウス管の生を聴いたのは確か2002年(サントリーホール)だったと記憶しています。そのプログラムはシベリウスの7番とブルックナーの5番でした。前者はゲヴァントハウス管とは思えぬほど色彩豊かで、後者はまさに王道を行く演奏でした。若いコンサートマスターでした。その隣で弾いていた(名前は失念しました)猛者が亡くなったと聞きました。ブロムシュテットはベジタリアンのせいか今だに健壮で本当に凄い巨匠だと思い知らされた次第です。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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