2012年08月06日

ヘッツェル&ドイチュのブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集


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ウィーン・フィルの顔であったゲルハルト・ヘッツェルの最初で最後のソロ・アルバム。

ヘッツェルが不慮の事故により死を迎える半年前の名演。

もちろん、不慮の事故であるから、死を前にした諦観のようなものは感じられないが、演奏のどこをとっても心温まる情感に満ち溢れており、岩清水のように澄んだ音色に癒されるヘッツェル畢生の名演と言っても過言ではない高みに達している。

長年アンサンブルで活躍していた人らしく、ヴァイオリンとピアノが主従関係にならず、あくまでもデュオとしての音楽が奏される。

余計な自己主張の一切ない枯淡のブラームスであり、自然で抑制された室内楽本来の楽しみがここにはある。

ムターのような自己主張のある演奏にも正直惹かれるが、折に触れ棚から取り出すのはこのディスクだ。

ブラームスの室内楽はソリスト的要素よりもアンサンブル的要素が必要だと思うが、これはヘッツェルが誰よりも解っていたのだと思う。

だからこそ最初の(そして最期の…)録音にこの作品を選んだのであろう。

特に大きな仕掛けをするのではなく、素直に書かれている「音楽」をカタチにする。

しかし、じわじわと音楽の持つ熱が自分に伝わり、聴き終えれば感動を覚えている、そんな演奏。

職人として、「芸」ではなく「技」でもって、私たちに感動を与えてくれるのは、 名コンマスであった彼の最大の美徳である。

中庸であることの尊さ、仕掛けや細工がない、声高に叫ぶこともない、そんな演奏だからこそいつまでも慈しみ、繰り返して聴きたいCDと言えよう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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