2012年08月10日
プレートル&ベルリン・ドイツ響のブルックナー:交響曲第7番
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2006年5月1日 ベルリン、フィルハーモニーでのデジタル(ライヴ)録音。
プレートルは数年前までは知る人ぞ知る指揮者であったが、ニュー・イヤー・コンサートへの初登場を契機として発売された、マーラーの「第5」や「第6」、そして、続いて発売されたブルックナーの「第8」やベートーヴェンの「第9」の超名演によって、現代における最高の巨匠の一人と目されるに至った指揮者である。
フランス人でありながら、ウィンナ・ワルツを含め、独墺系の音楽を巧みに、そして感動的に指揮できる手腕は実に優れたものがあると言えるだろう。
このような中で発売された本盤のブルックナーの「第7」であるが、超個性的な名演ということができると思う。
とにかく異常に快速のテンポで、全体を何と60分という凄まじいハイ・テンポで駆け抜けている。
おそらくは史上最速の「第7」だろう。
各楽章の第1主題と第2主題の間では、テンポの大幅な変化をつけている。
このような個性的な解釈による演奏は、ブルックナーの交響曲としてはいささか禁じ手とも言えるが、それでもこれだけの深い感動を与えてくれるというのは、プレートルが、ブルックナーの交響曲への深い愛着と理解があるからにほかならないだろう。
演奏終了後の一瞬の間も、当日の聴衆の深い感動を表していると言える。
こういう巨匠が今も存命でしかも次々と名演を聴かせてくれる事にこそ感謝したい……と好事家をして唸らせる巨匠中の巨匠プレートル。
ウィーン響との「第8」でも過激な演奏を聴かせた巨匠であるが、この「第7」も一筋縄ではいかない演奏である。
ベルリン・ドイツ交響楽団も、こうした個性的かつ快速の演奏にしっかりとついていっており、見事な好演を示していることも特筆すべきだろう。
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