2012年08月11日
プレートル&ウィーン響のマーラー:交響曲第5番
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マーラーの第5番は大好きな曲で何枚もCDを持っているので「もう満腹、これ以上要らない!」と思っていたのだが、プレートルのニュー・イヤー・コンサートがあまりに素晴らしく、その上このCDも非常に評判が良かったので、ついつい買ってしまった。
凄い! 同曲のベスト演奏の一つだろう。
この指揮者、粗さはあるもののライヴでは時に大化けすることがあるのは知っていたが、これはすさまじい。
かなり「熱い」演奏なのだが、パリッと冴えた感じがあって暑苦しさはない。
表現に含みやデリカシーというものがなく、すべてが外に露出してしまう人なので、複雑な性格の曲を強引に一面化し、陽性にしてしまったことも確かなのだが、結果として生まれる強烈なメリハリの効果には抵抗できない。
工芸品めいた各楽章がこんな風に化けるとは信じられない思いだが、ppの箇所がmpに聴こえるような強めの音で豪放に歌うアダージェットの爆演にはただただ唖然とするのみ。
テンポを大きく動かしての爆演だが、音楽は重くならず、カラフルでウィットさえあり、終楽章をこんなに楽しく聴かせた人は珍しい。
聴く人をこんなにワクワクさせてくれるプレートルの演奏に文句を言う人などいないだろう。
真面目に演奏されたマーラーなど意味不明なだけで退屈、という人に特にお薦めしたい。
また、響きや旋律の歌わせ方がやはりドイツ系の指揮者とは違う感じがするので、所謂マーラー嫌いの人にも好まれる演奏ではないか。
今再評価されるべき巨匠、プレートルにはマーラーの全交響曲の録音を期待したい。
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