2012年08月13日
プレートル&ウィーン響のベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
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プレートルの「第9」は、実にチャーミングでありながら、凄い演奏だ。
最近流行の演奏とは違い、充実した立派な演奏であり、プレートルとウィーン交響楽団、ウィーン楽友協会合唱団とも素晴らしい。
一言で言えばテンポの揺らぎを絡ませながらの堅実な運びには一定の説得性はある。
第1楽章の出だしから緊張感の連続! 久しぶりに感動を味わった演奏である。
もうかなりの高齢(録音時は82歳)のプレートルは、実に若々しく情感豊かで、若い指揮者よりもずっと音楽がみずみずしく、色っぽいのは不思議だ。
響きのふくよかな美しさは、今はすっかり失われてしまったものであるが、明晰で緊迫感をもった大迫力の演奏がしなやかで柔らかい音で奏でられているのであるから、聴き手は大きな幸福感に包まれる。
独唱陣であるが、典型的なドイツ・リートの声質と歌い回しなのでイタリア出身の歌い手をイメージを持っている方は下手に聴こえるかもしれない。
しかし、歌詞を一つ一つ噛みしめているのを聴くと心地よくなってくる。
全体的にさすが巨匠プレートルだな、と感心した。
自由だが、どこかと説得力があり、古臭く感じるぐらい音楽的な「第9」だと思った。
プレートル氏、この歳になるまで、大きく光が当たらなかったのが不思議だ。
それにしても最後の巨匠プレートルから益々目が離せなくなったことは確かである。
放送録音のせいなのか、NHKの録音と同様、ピークで歪まないようにする為か、録音レヴェルの設定が低く、かなりアンプのボリュームを上げて再生すると良いように思う。
さらには、数年前のシュターツカペレ・ドレスデンとの「エロイカ」、「オケコン」やウィーン・フィルとの「巨人」などプレートルの遺産とも言える重要な演奏の数々がリリースされることを切に願う。
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