2012年08月15日
ラトル&ベルリン・フィルのムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』(ラヴェル編曲)/ボロディン:交響曲第2番&だったん人の踊り
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2007年12月29-31日、ベルリン、フィルハーモニーに於けるライヴ録音。
『展覧会の絵』は、カラヤン以来、『ボレロ』と並んでベルリン・フィルが得意とするレパートリーで、重厚かつ繊細なこのオーケストラの実力を最大限発揮できる曲。
聴き慣れた名曲から新しい魅力を引き出し、新鮮に聴かせることにかけては他の追随を許さないラトルの棒さばきにも注目。
ラトルは特別好きな指揮者ではないが、ベルリン・フィルの新譜が聴きたい以上避けて通れない現実でもある、という前提で聴いたところ、この盤は文句なく素晴らしいと思う。
音色のパレットの豊富さ、配合の妙、弱音とフォルティッシモのダイナミクス等々、ベルリン・フィルとラトルのコンビが練れてきた感じだ。
新世代ベルリン・フィルの風のようなさわやかなサウンドを思う存分堪能できるし、ラトルの智に偏った解釈に眉をひそめず名作を「楽」に聴くことができる。
これからクラシックを聴こうという人に『展覧会の絵』のCDを1枚勧めるとしたら、筆者ならこれを薦めるだろう。
冒頭のテンポも、場面転換の鮮やかさも、「ゴールデンベルクとシュミイレ」のやり取りのテンポのよさも、「キエフの大門」の祝砲を思わせる音も、申し分ない。
ベルリン・フィルのシェフになって以降のラトルの演奏傾向に感心しない者の耳で聴いてもオケはマーラー「第9」同様、とにかく上手い。
どのパートも凄いが、「キエフの大門」の終結部で、大音響の中からしっかり聴こえてくるパユのフルートの凄さは人間業とは思えない。
ボロディンも素晴らしく、おそらくはファーストチョイスかもしれない。
「第2」はクライバーの別格的名演があり、「だったん人」はスヴェトラーノフやフェドセーエフが良いと思うが、それらとは一味違う高機能オケの醍醐味に酔いしれることができる。
筆者は、ラトルにはその将来を期待するあまり辛口の内容を書くことが多いが、この演奏に関しては、比較的高い評価したいと思う。
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