2012年08月21日
ビシュコフ&ケルン放送響のショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」
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ショスタコーヴィチの「第11」は、傑作が多い彼の交響曲の中では、必ずしも上位に置かれる曲ではなく、一般の人気もさほど高くはない。
それに合わせるかのように、同曲の名演もこれまで初演者ムラヴィンスキー盤以外にはほとんど生まれていないように思われる。
その中で、筆者は、このビシュコフ盤を今回初めて聴いたが、大変な感動を味わった。
というか、筆者としては、「第11」という曲の持つ魅力を堪能できたのはこれが初めての経験である。
ビシュコフ&ケルン放送響のショスタコーヴィチは、力強い、鮮烈なサウンドを聴かせてくれる。
第1楽章の王宮広場での静寂を経て、第2楽章の血の日曜日事件をこれほどまでに劇的に表現した例があったであろうか。
第3楽章の追憶を経て、第4楽章が実際に警鐘に聴こえるのには恐れ入った。
ビショコフは、マーラーでは必ずしも成功していたとは言いがたかったが、ショスタコーヴィチは素晴らしい。
鮮烈なリズム感と熱いテンションのもと、洗練された演奏を繰り広げている。
そこには、ロシア的な荒々しさよりは、あくまで純音楽的なセンスがきらめいていて、とても魅力的である。
ヤンソンスのアプローチの仕方とやや似ているが、ピショコフにはどこかしら品格が感じられる、稀な演奏と思う。
ビシュコフはやはり激しい曲をやらせたら現役で最高の指揮者の一人であろう。
ビシュコフの圧倒的な統率力と演出巧者ぶりには大変驚かされたところであり、特に、SACDマルチチャンネルで聴くと、特に第2楽章など、あまりのド迫力にぶっ飛ばされそうになる。
彼には是非、ショスタコーヴィチの交響曲全集完成に取り組んでもらいたい。
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